── IP(著作権)活用で地域活性化を狙うなら、「キャラクターを印刷するだけ」で終わらせないこと
こんな方に読んでほしい記事です: 自治体・観光協会・鉄道会社の担当者で「アニメや漫画を使った観光プロモーションに興味がある」
「聖地巡礼で地域を盛り上げたい」「でも何をどうすればいいかわからない」という方。
「聖地巡礼」はもうブームじゃない。観光の"定番ジャンル"になった
聖地巡礼という言葉が生まれたのは、まだインターネットが今ほど普及していなかった頃のことです。
当時は一部のファンが自発的に作品の舞台を訪れる、ちょっとニッチな行動でした。
それが今や、アニメ・漫画に出てくる地域やスポットを「聖地」と呼び、国内外から観光客が集まる人気スポットになるほどの規模に成長しています。
自治体もこの流れを受け、地域を挙げてアピールする動きが盛んになっています。
つまり、もはや「ブーム」ではありません。アニメ・漫画を活用した観光プロモーション──いわゆるアニメツーリズム・コンテンツツーリズム──は、
インバウンドをも巻き込んだ地域活性化の確固たる手法として定着しているのです。
なぜファンはわざわざそこへ行くのか? 心理を理解しないと企画が空振りになる
地域の担当者が最初につまずくポイントがここです。「アニメを使えば人が来る」と単純に考えてしまい、キャラクターを印刷したパンフレットを作るだけで終わってしまう。
これでは、ファンの心は動きません。
ファンが聖地に向かう動機の根本は、「大好きなキャラクターたちが生きている世界を、自分も同じ空間で体感したい」という強い想いです。
アニメや漫画の背景は、制作スタッフが現地でロケハン(撮影)を行い、それを丁寧に作画へ落とし込んでいます。
だからファンは現地に行き、「あのシーンと同じアングルで写真を撮る」「推しキャラのグッズと一緒に撮影する」という行動に心から満足感を覚えるのです。
現実の観光地が、ファンにとっては最高のエンターテインメント空間に変わる瞬間です。
この心理を深く理解しているかどうかで、プロモーションの企画の質はまったく変わります。
「一過性のブームでは?」という不安への、正直な答え
アニメ・漫画を使ったプロモーションを検討すると、必ずと言っていいほど出てくる懸念があります。
「放送が終わったら誰も来なくなるんじゃないか?」
これは、「どのIPを選ぶか」によって大きく変わります。
大切なのはファン層の熱量と厚みです。たとえばアニメ映画「秩父三部作」の舞台となった秩父市では、公開から何年も経った現在も多くのファンが訪れ、世界観を巡り続けています。
ファンの間で「名作」「神作」と語り継がれる作品は、流行に左右されず、長年にわたってその土地への来訪を生み続けます。
そしてファンが地域を訪れれば、交通機関に乗り、ごはんを食べ、お土産を買います。
聖地巡礼は地域にとって大きな経済効果をもたらす重要な観光資源であり、地域全体で盛り上げる取り組みを行うことで、何度も訪れたくなる地域づくりにつながります。
ファンの心を本当に動かす企画とは──「いちゃいちゃ」の法則
少し具体的な話をします。
いま注目されているトレンドのひとつが、「アイドルアニメ×オフ旅」という企画です。
アイドルとして活躍するキャラクターたちが、久しぶりのオフを使って旅に出る。そのストーリーを観光プロモーションの軸にするという手法です。
企画の肝は、旅の合間にキャラクター同士がSNSやLINEでやり取りしている画像をWEBで公開すること。
普段の本編では見られない意外なメンバー同士のペアリング。離れた場所にいるふたりが「今ここに来てるよ」「そっちはどう?」と連絡し合っているやり取り。
この絶妙な距離感と「いちゃいちゃ」感こそが、ファン心を猛烈にくすぐります。「その旅のルートを自分も辿りたい」という気持ちが自然に生まれ、来訪につながるのです。
実際、JR東海様が手がけているIPコラボ(いわゆる「推し旅」系の企画)では、相当数の利用者を記録しているという話もあります。手法としての有効性は、すでに証明されています。
グッズを作れば来る、は幻想。「描き下ろし」こそがファンを動かす
もうひとつ、現場でよく見かける失敗パターンをお伝えします。
「グッズを作れば来てくれるだろう」という発想で、過去に使ったイラスト(いわゆる"ありもの")をそのままグッズに流用してしまうケースです。
これは、なかなか売れません。
ファンにとって、すでに見たことのあるイラストのグッズは「持っている世界観の焼き直し」でしかありません。心が動かないのです。
ファンが財布を開くのは、描き下ろしイラスト──つまりそのプロモーションのために新たに描かれた、ここでしか手に入らないビジュアルに対してです。
しかもそのイラストのテイスト(作画の雰囲気・シチュエーション・キャラクターの表情)によっても、ファンの欲求は大きく変わります。
普段見られない表情、意外な組み合わせのキャラクター、旅先らしい私服姿──こうした「初めて見た」という感覚がファン心をくすぐります。
「でも、描き下ろしはお金がかかる…」
そうです、コストがかかります。ただ、予算がないからといってありものを流用してしまうと、結果的に売れ残り、何も残らない残念な結果になる。これが最もコストパフォーマンスの悪い選択です。
ART&旭では、予算に制約がある場合も工夫して描き下ろしを実現する方法をご提案します。
たとえば、グッズの点数を絞って通常ラインナップはシンプルにまとめ、シークレット(封入封筒やランダム排出)の1種類だけを描き下ろしにする。
これだけでファンは「シークレットが欲しい」という動機で動き、販売数が変わります。
やるなら、予算内で最大限にファン心をくすぐる方法を一緒に考えます。
ART&旭の実績──「やってきた」から言えること
ART&旭(株式会社旭高速印刷)はこれまで、IP活用プロモーションを複数手がけてきました。
◯ 多摩モノレール×『平成狸合戦ぽんぽこ』ラッピング列車
作品の舞台・多摩丘陵と沿線の地域性が重なるIPを選び、列車をまるごとラッピング。鉄道ファン・アニメファン双方への訴求に成功しました。
◯ 『はたらく細胞BLACK』を用いたHIV啓発動画
医療・健康分野の啓発にIPを活用。「難しいテーマをエンタメで届ける」というIP活用の可能性を示した事例です。
◯ 「こち亀記念館」一周年記念イベントデザイン
長年愛され続ける国民的漫画のIPを活用した、持続的なファン向け体験の設計。
◯ めぐろ観光まちあるき協会 公式アニメーション制作
目黒区内に伝わる伝統や伝説をベースにキャラクター設定を行い、超一流の声優陣を起用した公式アニメーションを制作。キャラクター設計・アニメーション制作・音声編集まで社内で一貫対応しました。
既存IPを待つのではなく、地域オリジナルのアニメを一から作るという新しい地域おこしの形です。
現在も相談段階の案件が多数あり、IP活用のノウハウは社内に蓄積され続けています。
アニメと漫画は「別物」。著作権も、ファンの反応も、まったく違う
ここは意外と見落とされがちな、でも非常に重要なポイントです。
アニメと漫画は、著作権が異なります。
同じキャラクターでも、アニメ化された作品の場合、漫画(原作)の著作権とアニメの著作権は別々に存在します。
使用許諾の交渉先も、使用料金の水準も、まったく違います。「アニメが流行っているからアニメのビジュアルで作りたい」のに、漫画側の権利元だけ押さえて進めてしまう──
こうした混乱が実際に起きています。
では、どちらを使うべきか。答えはシンプルで、「ファンが何に熱量を持っているか」で決まります。
いま話題のアニメでファンがついているなら、使うべきビジュアルはアニメの絵です。
一方、漫画家個人に長年のファンがついている作品なら、原画・漫画のタッチを使うほうがファンの心に刺さります。
たとえば某・国民的日常アニメを思い浮かべてみてください。あの作品で人々が頭に思い描く絵は、間違いなくアニメのビジュアルです。
漫画の原画で作ったグッズと、アニメのビジュアルで作ったグッズでは、訴求力がまるで違います。著作権の使用料金にも大きな差があるため、最初の方針決定が予算設計全体に影響します。
「アニメ・漫画をどう使うか」の判断は、プロモーションの成否を左右する最初の分岐点です。
ART&旭では、IPの種類・ファン層の傾向・予算規模をふまえたうえで、どちらのアプローチが最適かを一緒に整理するところからご支援します。
決裁者を動かすために──データと資料で「納得」をつくる
もうひとつ、現場担当者の方が直面するリアルな壁についても触れておきます。
組織の中で年齢を重ねた意思決定者の方ほど、アニメ・漫画を活用したプロモーションへの理解が得にくいことがあります。
「アニメなんて…」と距離を置く方もいれば、少し理解がある方でも「アニメのファンってすごいらしいね」という程度の認識にとどまることも少なくありません。
担当者がどれだけ熱量を持っていても、決裁が下りなければ企画は動きません。
ART&旭では、こうした権限をお持ちの決裁者の方に向けた資料作成とデータでの説明も対応しています。
アニメツーリズムの経済効果、聖地巡礼による来訪者数の変化、成功事例の数字など、「感覚ではなく根拠」で語れる資料を一緒に作ります。
担当者の方が社内を動かすための後押しをすることも、私たちの仕事だと考えています。
「自分はやりたいが、上を説得できるか不安」という段階からでも、ぜひご相談ください。
「オタク心がわかる人間」が社内にいる、という強み
率直に言います。IP活用プロモーションで空振りに終わる案件の多くは、ファンの熱量と心理を深く理解しないまま進めてしまっていることが原因です。
「キャラクターを使えばファンが来る」ではなく、「そのファンが何を見たら心が動くか」を起点に企画を設計できるかどうか。
そのためには、自分事としてオタク文化を理解しているスタッフが制作に関わっていることが必要です。
ART&旭の社内には、筋金入りのオタクスタッフが複数在籍しています。
また、代表自身が集英社・スーパージャンプの奨励賞を受賞しながらも、プロの漫画家ではなく「地域の魅力を伝える仕事」を選んだ経歴の持ち主。
旅行会社出身かつアニメ・漫画にも精通しており、旅行のプロとしての目線とクリエイターとしての感覚の両方から企画を立てられることが、ART&旭ならではの強みです。
やるなら、メディアを重ね合わせて"掛け算"にする
IP活用プロモーションで最も効果が出るのは、複数のメディアを連動させたときです。
パンフレット × SNS × 動画 × WEB
これらをバラバラに作るのではなく、ひとつのストーリーで連動させること。
ファンがSNSで知り、動画で世界観にはまり、パンフレットを手に持って現地を巡る。この体験の導線を設計することが、プロモーションを掛け算の効果にします。
ART&旭はコピーライター・編集者・デザイナー・動画クリエイターが全員社内に在籍しており、外注なしでこの一連の制作に対応できます。
「作って終わり」ではなく、継続的なチームとして伴走することも私たちの特徴です。
こんなご相談、お待ちしています
沿線や地域にゆかりのあるアニメ・漫画IPを使った観光プロモーションをやってみたい
既存のIPがないが、地域オリジナルのキャラクターやアニメを一から作りたい
・ファンを地域に呼び込み、リピーターにしたい
・SNS・動画・パンフレットをまとめて一社に依頼して、発信を継続したい
・オタクに刺さる、尖った企画を一緒に考えてほしい
「うちの地域や沿線でアニメ・漫画を使った施策をやってみたい」という自治体・観光協会・鉄道会社の皆様、ぜひART&旭にご相談ください。
社内のオタクスタッフたちと代表が、熱量を持ってお応えします。
東京事業本部・福岡事業本部・大阪営業所
受付時間:9:30〜18:15(土日・祝日除く) オンラインでのご相談も随時受け付けています。
【ART&旭 株式会社旭高速印刷】について
ART&旭株式会社旭高速印刷は、福岡市博多区、大阪市北区、東京都千代田区に拠点を構える広告制作のプロダクションおよび広告代理店です。
この記事で書いたような「媒体ごとの役割設計」を、弊社では制作の前段から一緒に整理しています。
編集者・ライター・Web制作が社内に在籍しているため、言葉の設計から媒体をまたいだ制作まで、分断なく対応できる体制が特徴です。
✅ パンフレット制作
✅ Web制作・システム開発
✅ 動画制作
✅ Web広告
✅ SNS運用代行
まずは課題整理から相談をいただく企業も多く、無理な提案を行わない体制を大切にしています。
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