株式会社旭高速印刷

「デザイン評点」で満点を取る 企画書ビジュアルの作り方

「デザイン評点」で満点を取る 企画書ビジュアルの作り方

プロポーザルの企画書を実際に組まれる方(共同で応札するパートナー企業・クライアントのご担当者)へ

デザイン評点は、センスよりも「伝え方の設計」だと考えています

前回の記事で、「デザイン評点は、配点があるなら落とせない」というお話をさせていただきました。
たとえば配点に20点あれば、デザインがなければそこはまるごと0点。
企画がどれだけ良くても、取り返しがつきません。

今回は、その“取り方”のほうを、もう少し具体的に掘り下げてみたいと思います。

最初にお伝えしたいのは、デザイン評点はセンス(才能)だけの話ではない、ということです。
審査員の方に「分かりやすく・伝わりやすく・本気で」お届けするための、いわば伝え方の設計です。

設計であれば、手順にできます。手順にできれば、満点にも近づけていける、と私たちは考えています。

ここを取り違えると、せっかくの努力が空回りしてしまいます。

審査員の方は、美大の先生ではありません。 凝った装飾や配色の妙を評価しているわけではないのです。

実際に見られているのは、次の3つだと感じています。

分かりやすさ:短い時間で内容をつかめるか
伝わりやすさ:何を、どう実現するのかが、迷わず頭に入るか
本気度:この事業に、真剣に向き合っているか

ここを勘違いすると、「きれいだけれど、点が入らない企画書」になってしまいます。
逆に言えば、この3つを設計で満たせていれば、派手さがなくても点はついてくる、ということでもあります。

点を取りこぼしがちな企画書、5つのパターン

まず、心当たりがないか、見ていただければと思います。
デザイン評点を落としてしまう企画書には、いくつか共通した型があります。

1 文字がびっしり:情報は全部入っているのに、読む気になりにくい。審査員の方が“探す”のに疲れてしまう
2 表紙だけ立派:表紙は凝っているのに、中身は事務的なワード文書のまま。本気度が続かない
3 図がない:体制もスケジュールも文章だけ。関係性や流れが、頭に入ってこない
4 バラバラ:ページごとに配色・フォント・見出しの大きさが違い、落ち着かない
5 完成が見えない:やることは書いてあるけれど、“実施したらどうなるか”の絵がなく、想像しづらい

どれも、中身が悪いというより、見せ方で損をしてしまっている状態です。
裏を返せば、見せ方を整えるだけで、点は戻ってきます。

満点に近づけるための、6つの手順

ここからが本題です。先ほどの失敗を裏返した、繰り返し使える6つの手順をご紹介します。
それぞれ「なぜ点につ ながるのか」もあわせて書いておきます

①1ページ1メッセージと、視線の流れ
1ページに入れるのは、伝えたいこと1つに絞ります。上から下・左から右へ、視線が自然に流れる配置にします。
審査員の方が「探さずに」読める——これが、分かりやすさの正体です。
分かりやすさは、情報量ではなく整理で決まると考えています。

②評価項目との“対応”を、見えるようにする
見出しに、仕様書や評価項目の言葉をそのまま使います。「①○○について」と、採点表の順に並べていきます。
こうすると、採点される方が「この提案はどの項目に答えているのか」を探す手間なく採点できます。
項目の取りこぼしを防ぐことにもつながります。

③“実施後の完成イメージ”を、絵で見せる
文章で「賑わいを創出します」と書く代わりに、完成後の様子・画面・誌面・会場のイメージを、一枚の絵にしてお見せします。
審査員の方が結果を具体的に想像できるようになります。判断は、想像できるかどうかで動くと感じています

④体制図・スケジュールは、“図”にする
誰が何を担い、いつ何が動くのか。これは体制図とスケジュール表(工程表)で示します。
文章を並べるよりも、「これなら実現できそうだ」という安心感——つまり実現性が伝わります

⑤自治体向けの“読みやすさ”を守る
級数(=文字サイズ)は、小さくしすぎないようにします。
UDフォント(ユニバーサルデザインフォント=どなたにも読みやすい書体)を使い
配色もコントラストを確保します。
公共の案件では、幅広い年代の方が審査されます。読みやすさそのものが、配慮=本気度の証明になります。

⑥表紙で、本気度を最初にお伝えする
表紙は、最初の1秒の印象を決めます。事業名・自治体名を正確に、その事業に合ったトーンで。
「この会社は本気だな」という第一印象が、以降のページの読まれ方まで変えていきます。

「AIで満点」は取れるのか

いまはAIでも、それらしい企画書ビジュアルを作れるようになりました。
では、AIで満点は取れるのか——正直なところをお話しします。

たたき台やラフを作る場面では、AIはとても役立ちます。 構成の下書き、レイアウトの当たり、図版の素案。
ここはむしろ、積極的に使ってよいと思っています(私たち自身も、日々活用しています)。

ただ、最後に差になるのは、その自治体・その事業ならではの文脈を、絵にする力だと感じています。

この地域の課題、この事業の狙い、審査される方が気にされる点——
それを汲み取って一枚に描き直す作業は、いまのところ人の設計のほうが得意です。
AIの平均的な絵は、どうしても平均的な点にとどまりがちです。

現実的には、AIで速く土台を作り、勝負どころは人が仕上げる。 この役割分担が、いちばん確実だと考えています。

提出前に、この6点を確かめてみてください

☐ 1ページ1メッセージになっているか(視線の流れが通っているか)
☐ 見出しが、評価項目・仕様書の順・言葉と対応しているか
☐ 実施後の完成イメージが、“絵”で入っているか
☐ 体制図・スケジュールが、図になっているか
☐ 級数・フォント・配色が、公共案件の読みやすさを満たしているか
☐ 表紙で、本気度が伝わるか

抜けが多いほど、デザイン評点を取りこぼしている可能性があります。
逆に、ここが埋まっていれば、満点にぐっと近づきます。

私たちにできること

とはいえ、「設計は分かっても、仕上げる時間と手が足りない」——これが現場の本音ではないかと思います。

当社では、勝ち抜かれた際に他社へ発注されないことをお約束いただいたうえで、企画書のデザインを無償でお手伝いさせていただいています。

コンソーシアムのデザイン担当として、上の6つの手順を、その案件の文脈に合わせて一枚ずつ仕上げていきます。
案をたくさん並べる必要はありません。落とせない配点を、しっかり取りにいくためのデザインです。

「この企画書、デザイン評点でどのくらい取れそうか見てほしい」——そんなご相談から、お気軽にお声がけください。

<深掘りシリーズについて>

このシリーズは、概要記事の「1項目」を取り出して、繰り返し使える手順まで掘り下げていくものです。
今回の「6つの手順」で挙げた項目——体制図の作り方/スケジュール表で信頼を得る方法/実施イメージ図の描き方など——は
それぞれ次回以降、単独のテーマとして掘り下げていく予定です。

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